ヘルニア

●組織の老化

年齢を重ねると身体のさまざまな組織が老化します。
髄核のまわりには軟骨組織が存在しますが、年齢にともない弾力が失われることで亀裂が入ってしまいます。
その結果、髄核が外に飛び出してしまうことでヘルニアが発症するといわれています。

 

●過度な腰への負担

腰へ負担の大きい姿勢や動作を繰り返し行っていると、徐々に腰まわりの組織への負担が大きくなります。
負担が蓄積されると損傷が生じるリスクが高まり、ヘルニアを発症しやすくなるといわれています。
重い荷物を持つ仕事をする方や、ゴルフやテニスなど腰を使うスポーツをする方に発症することが多い傾向にあります。

 

●ぎっくり腰の繰り返し

ぎっくり腰を繰り返していると、椎間板が弱まりヘルニアを発症しやすくなるといわれています。
そのため、ぎっくり腰とヘルニアが併発するようなケースもあります。

 

●くしゃみ・咳払い

くしゃみや咳払いなどの動作により、ヘルニアでは激痛が走るといわれています。
くしゃみや咳をすると腰に瞬間的な振動が走るため、神経の圧迫が強まり、ヘルニアにつながってしまいます。

●腰痛

ヘルニアでは腰からお尻にかけて痛みが生じるといわれています。
ときにはぎっくり腰のような激しい痛みが生じることもあります。
腰を反らすような姿勢をとったときや、くしゃみや咳をすることで痛みが強まるという特徴があります。

 

●下肢の痛みやしびれ

ヘルニアでは神経が圧迫されるため、神経がつながっている部分へ痛みやしびれが現れることが多いです。
腰には坐骨神経と呼ばれる腰からつま先へ張り巡らされている神経があるため、足にもしびれが現れるといわれています。
下肢の痛み、しびれの範囲や程度には個人差があり、片足だけ症状が現れることもあれば、両足に症状が現れることもあります。

 

●夜間痛

ヘルニアは夜になると痛みが強まる「夜間痛」の症状があることが特徴のひとつです。
夜間に症状が悪化することで、眠れなくなってしまう場合もあります。

 

●運動障害

神経には身体を動かす指令を送る「運動神経」があります。
ヘルニアによって運動神経が圧迫されると、足に動かしにくさや力の入りにくさなどを覚えることがあります。
悪化すると、歩行困難や排尿障害を引き起こす恐れもあります。

●お尻の筋肉をほぐす

お尻の筋肉が硬くなると、ヘルニアの症状は強まってしまいます。
お尻の筋肉をほぐし、症状の緩和を目指しましょう。

・テニスボールを使ったストレッチ法

①仰向けに寝て、テニスボールをお尻の下に置きます。
②テニスボールに少し体重をかけ、お尻を横に動かして転がしていきます。
③左右のお尻を3分ほどほぐしましょう。

・お尻のストレッチ法

①椅子に浅く腰をかけ、片足を反対の膝の上に乗せます。
②その姿勢のまま身体を前に倒していき、お尻の筋肉が伸びているところで10秒ほど姿勢を維持します。
③ゆっくりと元の姿勢に戻り、反対側も同様に行います。

 

●身体を温める

身体を温めると血行が促進され、硬くなった筋肉をほぐすことができるといわれています。
筋肉が硬くなっていると椎間板を圧迫して髄核が神経をより強く刺激してしまうため、筋肉をほぐすことは症状の緩和につながります。
40℃くらいのぬるま湯にじっくりと入浴すると、身体をしっかりと温めることができるでしょう。

●ストレッチをする

筋肉の柔軟性が低下すると、ヘルニアの発症リスクが高まるといわれています。
日頃からストレッチを習慣的に行い、筋肉の柔軟性を維持するようにしましょう。
とくに腰から下半身のストレッチをしっかりと行ってください。

・腰のストレッチ

①仰向けになり、膝を90度に曲げて立てます。
②両手をお尻の下へ置き、お尻をゆっくりと上げます。
③手からお尻が離れた状態の姿勢で10秒維持します。

・足のストレッチ

①ベッドや椅子の上に片足を乗せ、つま先は立てた状態にします。
②その膝の上に両手を添え、膝を下に押すようにして膝を伸ばします。
③反対側の足も同じように行います。

 

●適度な運動をする

適度な運動は血行を促進して柔軟性を高めることや、筋力を高めることにつながります。
とくに腹筋や背筋を鍛えることで足腰が安定し、ヘルニアの予防が期待できます。
しかし、運動は継続しなければ効果を感じにくいため、ウォーキングなど毎日継続しやすいものを行いましょう。

 

●ぎっくり腰を繰り返さない

ぎっくり腰を繰り返していると、ヘルニアを発症するリスクが高まるといわれています。
ぎっくり腰を何度も再発しているという方は、再発予防を日頃から心がけましょう。

ぎっくり腰の予防として行えることは、日頃から姿勢を正し、重い荷物の運搬を避けるなど、腰へ大きな負担をかけないようにすることが大切です。
また、腰まわりを鍛えると腰への負担も軽減され、ぎっくり腰の予防につながるといわれています。

当院では「本来あるべき姿勢」を取り戻すために、「呼吸」に重点をおき施術をしています。
「本来あるべき姿勢」に戻ることで痛みは緩和できると考えています。

まず歩行が通常通りできるのかなど身体の状態を丁寧にみていきます。
歩行においては腰痛の種類によってさまざまな歩き方がみられるといわれています。
「身体がくの字になったまま腰が伸びずに歩く」「肩の高さが大きく変わってしまって歩く」「片方に重心がうまく乗せられないで歩く」など、歩き方を分析することで原因となる筋肉や関節を推測していきます。

その後、前屈、後屈、回旋、側屈を行うことで腰の可動域を確認します。
腰椎に付随している骨盤の傾きやねじれなども含めて総合的にみていきます。

「骨盤が前傾、もしくは後傾してしまっているのか」など、どのような動きでどこに痛みが出現するのかをしっかりと確認します。

症状が重くベッドに横向きになれない方は、立ったままでも施術を受けることができます。
時間が長くなればなるほど身体に負担がかかってしまうため、当院ではできる限りシンプルな施術を心がけています。

痛みが発生すると筋肉の緊張が起こり背骨やその他の関節が固まってしまいます。
そのためまずは、けい椎から腰椎までに背骨の動きをつけていき、骨盤の仙腸関節に優しく圧を加えていきます。

その後、徐々に股関節の可動域を改善し、お尻から太ももにかけての筋肉にアプローチを行います。
また、必要に応じて体幹の強化や下半身の筋力トレーニングなども取り入れ、再発の予防につなげます。
当院の施術では基本的に機械は一切使用しませんのでご了承ください。